2009 年 16 巻 1 号 p. 27-29
硬膜外脊髄刺激電極埋め込み術を受けた患者で,刺激閾値が上昇し,刺激電極リード(電極リード)の断線が強く疑われたので,電極リードの入れ替えを計画した.術前の刺激閾値は上昇していたが,至適部位の刺激感が得られており,硬膜外腔の同一位置へ電極リードを再留置する必要があった.硬膜外腔の癒着が予想されたので,X線透視下に留置中の電極リードをガイドとして,セルジンガー法で,入れ替え前と同じ場所に新しい電極リードを再留置できた.新しく挿入した電極による刺激で,入れ替え前と同じ部位に刺激感が得られ,疼痛のコントロールを維持できた.セルジンガー法を用いた硬膜外脊髄刺激電極の再留置は,組織の切開を最小限にすることができ,入れ替えによる刺激電極の変位を少なくすることができる.