日本ペインクリニック学会誌
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原著
星状神経節ブロックにおけるランドマーク法と超音波ガイド法での画像および効果の比較
明石 奈津子増田 豊安部 洋一郎
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2015 年 22 巻 4 号 p. 507-512

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抄録

【目的】超音波装置の普及に伴い,超音波ガイド下星状神経節ブロック(SGB)が広く施行されるようになった.しかし,これまで効果や薬液の広がりについてランドマーク法SGBとの比較検討はなされていない.今回われわれは,それぞれのSGB施行後の薬液の広がり,臨床効果を比較検討した.【方法】造影剤を混合した局所麻酔薬を用いて,それぞれの方法でSGBを施行した.施行後,コーンビームCT撮影で造影剤の広がりを確認し,パルスオキシメータ(Radical 7TM,Masimo社,USA)で上肢末梢血流量の変化を計測した.臨床効果や合併症の有無も評価した.【結果】対象は17人(ランドマーク群9人,超音波群8人)であった.全症例でSGBは成功し,造影剤は頸長筋内をTh1まで拡散していた.また,SGB側の上肢末梢血流量の変化,臨床効果,合併症についても2群間で明らかな違いはみられなかった.【結論】本研究のランドマーク法SGBと超音波ガイド下SGBは,どちらも正確に手技が施行されており,両手法で施行側の上肢末梢血流量の増加がみられ,交感神経ブロックが成立していることが示された.

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© 2015 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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