日本ペインクリニック学会誌
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症例
難治性舌痛症に対して漢方治療が奏効した4症例
今井 美奈三枝 勉松本 園子山口 敬介光畑 裕正
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キーワード: 舌痛症, 漢方治療,
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2016 年 23 巻 2 号 p. 106-109

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抄録

舌痛症は器質的変化がないにもかかわらず,舌に慢性的な痛みやしびれが生じる疾患である.とくに更年期の女性に多く発症し,歯科治療後に発症することが多いが,原因は不明なことが多く難治性である.心因性の問題が大きく関与していると考えられている.疼痛は舌尖部から舌縁部に好発し,摂食時,睡眠時には軽減する傾向がある.今回,舌痛症の診断で西洋医学的治療を行ったが無効であった4症例に対して,証に合わせてそれぞれ四逆散合香蘇散(柴胡疎肝湯の方意),桂枝人参湯,加味逍遙散,四逆散を使用し,numerical rating scale(NRS)で0~3に痛みが改善した.このように難治性舌痛症に対しては証(漢方学的所見)に従う漢方を使用することにより,効果があることが示された.

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© 2016 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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