日本ペインクリニック学会誌
症例
腹筋の運動麻痺を伴った胸神経領域の帯状疱疹の3症例
城戸 晴規駒澤 伸泰宮崎 有兵田 暁藤原 俊介南 敏明
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24 巻 (2017) 1 号 p. 43-46

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抄録

帯状疱疹(herpes zoster:HZ)は知覚神経の障害を主に引き起こすが,炎症が脊髄前角や前根に波及すると運動神経障害を生じる.今回,腹筋の運動麻痺を伴った胸神経領域のHZの診断補助に超音波検査が有用であった,3症例を経験したので報告する.症例1は76歳,男性.X日に右腹部にHZが出現し,近医で鎮痛薬を処方されたが痛みが強く,X+28日に当科を受診した.症例2は75歳,女性.Y日に右側腹部にHZが出現し,近医で鎮痛薬を処方されたが痛みが強く,Y+29日に当科を受診した.症例3は72歳,男性.Z日に右側腹部にHZが出現し,近医で鎮痛薬を処方されたが痛みが強く,Z+80日に当科を受診した.3症例ともに病側側腹部の膨隆と超音波画像で病側腹筋群の筋層の菲薄化を認めたため,腹筋の運動麻痺を伴った胸神経領域のHZと診断した.HZによる胸神経領域の運動麻痺は頻度が低いと報告されている.四肢の麻痺は診断が容易であるが,胸神経領域の麻痺は見逃されやすい可能性がある.腹部帯状疱疹関連痛では運動麻痺に随伴する腹部膨隆や超音波画像での腹筋菲薄化に注意する必要がある.

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© 2017 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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