日本ペインクリニック学会誌
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視覚アナログスケールに基づいた慢性痛患者のQOL障害の評価―横断研究―
山縣 克之澤村 実紀小森 万希子尾崎 眞
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24 巻 (2017) 1 号 p. 17-26

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抄録

【目的】われわれは,慢性痛患者のQOL障害を視覚アナログスケール(VAS)に基づいて評価する手法として,patient's impaired QOL-VAS(PIQ-VAS)を考案し,その有用性を検討した.【方法】慢性痛患者58例を対象に横断調査を行い,PIQ-VASと痛みVAS,健康関連QOL尺度SF-8,うつ病スクリーニングツールPHQ-2との関連性を検討した.【結果】PIQ-VASは痛みVASとの間に高い正の相関を,SF-8全下位尺度項目との間に中程度の負の相関を示した.PIQ-VASを従属変数とした変数減少法による重回帰分析では,SF-8各下位尺度項目のうち,独立変数としてRE[日常役割機能(精神)]とBP(体の痛み)が選択された.うつ病が疑われた群(PHQ-2スコア6点中3点以上,n=12)のPIQ-VASは,それ以外の群よりも有意に高値を示した.【結論】PIQ-VASは,慢性痛患者のQOL障害についておおまかな評価が可能であり,精神面での状態評価の意義も含む簡便なツールであることが示唆された.課題として,対象患者数を増やし,治療経過との関連性を調査することが必要と考えられた.

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© 2017 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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