日本ペインクリニック学会誌
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顎関節症が疑われた筋筋膜性疼痛の1例
正司 喜信
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2004 年 11 巻 2 号 p. 120-122

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抄録

筋筋膜性疼痛は, 筋および腱のトリガーポイントと呼ばれる発痛点と関連痛を特徴とする. 今回, 僧帽筋にトリガーポイントを有する顎顔面痛の1症例を経験したので報告する. 症例は33歳の女性で, 近医歯科で顎関節症と診断され塩酸エペリゾンおよび非ステロイド性抗炎症薬と咬合スプリント (口腔内装置) により治療された. しかし, 左下顎角部の安静時痛は残存した. そこで同側僧帽筋に診断的なトリガーポイント注射を行ったところ, 症状は軽快した. この結果, 顎顔面領域に関連痛を生じる頸部由来の筋筋膜性疼痛と顎関節症との鑑別にはトリガーポイント注射が有効な手段の一つであることが示唆された.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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