2004 年 11 巻 2 号 p. 96-99
「WHO方式がん疼痛治療法」が広く行われるようになって, モルヒネの安全性と確実性が確認された. モルヒネは鎮痛効果が大きく, 適正に使用すれば便秘や呼吸抑制などの副作用は予防できる. 臨床の場では耐性も精神的依存も問題にならない. モルヒネには速放性と徐放性の内服薬・坐剤・注射剤が揃っていて, 患者の多彩な病状に合わせて使い分けることができる. 近年がん疼痛治療薬に, フェンタニル貼付剤や徐放性オキシコドン錠などの新しい強オピオイド鎮痛薬が加わったが, 今でもなお主役はモルヒネである. 新しい鎮痛薬を使いこなすためにも,「今こそ」モルヒネの使い方に習熟することが重要である.