日本ペインクリニック学会誌
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ペインクリニックと依存性薬物
鈴木 勉矢島 義識成田 年
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2005 年 12 巻 4 号 p. 365-373

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抄録
ペインクリニックで使用する薬物には依存性を有するものが多く含まれている. そこで本稿では, 世界保健機関の依存性薬物の分類に従い, 鎮痛薬, 鎮痛補助薬, 催眠薬などの依存性について述べる. 精神依存に関しては多くの場合, 中脳辺縁ドパミン (DA) 神経系の活性化に伴ったDA受容体刺激が本質的な役割を果たしているが, DA神経系だけでは説明できない依存性薬物もある. また, 身体依存に関しては, 中枢抑制薬ではγアミノ酪酸 (GABA)AおよびN-メチル-D-アスパラギン酸 (NMDA) 受容体がおもに関与し, オピオイド鎮痛薬ではNMDA受容体, β受容体やα2受容体の関与が示唆されている. しかし, 依存性の機序については未知の面が多く, 今後の研究成果に期待するところが大きい.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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