2007 年 14 巻 1 号 p. 19-22
症例は72歳の女性で, 乳癌の踵骨, 脛骨転移による体動時痛のため歩行困難であった. 過去2回放射線療法が施行されており, 関節拘縮や皮膚潰瘍が生じる可能性が非常に高いと考えられたため, 骨セメント局注療法 (経皮的骨形成術) を選択した. 施行翌日から杖歩行が可能となり, 良好な除痛効果が認められた. 本法は薬物療法や放射線療法と比べ, 速やかな除痛が得られること, 体動時の強い疼痛が制御できること, 骨補強効果があることから, 椎体以外の転移性骨腫瘍にも適応があると考えられた.