日本ペインクリニック学会誌
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下肢の癌性疼痛に対して神経根 pulsed radiofrequency 療法を行った1症例
内野 哲哉竹島 直純高谷 純司宮川 博司岩坂 日出男野口 隆之
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キーワード: 骨転移, 癌性疼痛
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2007 年 14 巻 2 号 p. 150-152

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抄録

Pulsed radiofrequency (PRF) で知覚・運動麻痺を生じることなく下肢の癌性疼痛を軽減できたので報告する. 症例は61歳の男性で, 腰・仙椎への転移性腫瘍により右の下肢痛をきたしていた. オキシコドン徐放剤, モルヒネ水溶液の内服を増量すると, 強い嘔気, 傾眠等の副作用を生じたので, オピオイドを増量できず, 良好な疼痛のコントロールは得られなかった. 疼痛が右のL5, S1領域に限局していたことと, 下肢運動機能を温存したいという強い要望があったので, 右L5, S1神経根にPRFを施行した. PRF後に, 筋力低下, 知覚麻痺を生じることなく疼痛は軽減し, オピオイドの減量によりオピオイドの副作用は消失した. PRFは四肢の癌性疼痛の治療で有用な方法になる可能性があると考えられた.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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