日本ペインクリニック学会誌
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ペインクリニックにおける経皮的椎間板摘出術について
その臨床経験
大瀬戸 清茂塩谷 正弘長沼 芳和唐沢 秀武大野 健次多久島 匡登
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1996 年 3 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

目的: ペインクリニックにおいても経皮的椎間板摘出術 (以下PDと略す) が行なわれるようになり, 当科では1994年6月上旬までに腰部 (85例) と頸部 (8例) 合わせて93例施行したのでその成績とペインクリニックでの意義を述べる. 方法: PDの方法は, 土方式による経皮的椎間板摘出術と Onik が発案した Nucleotome による自動経皮的椎間板摘出術で行った. また, PD後も神経ブロック療法を併用した. 治療成績は担当医の評価と1994年8月郵送の患者へのアンケート調査 (回収率84.5%) によって行なった. 結果: 成績についてみると担当医の評価によるADLの改善度は, 腰部78.8%, 頸部87.5%, アンケートは, 80.8%, 87.5%であった. PDを受けた患者による印象では,「とてもよかった」と「よかった」を合わせると腰部70.5%, 頸部87.5% (平均77.2%) になった. 結論: PDは, ペインクリニックの治療法として有力な手段となりうるが, 神経ブロックと併用しながら行なうと, より治療成績が向上すると考えられた.

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