日本ペインクリニック学会誌
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硬膜外麻酔の部位別の広がり
その特徴と年齢, 身長, 体重の影響
杉浦 健之三浦 政直石田 進笹野 信子伊藤 彰師馬場 瑛逸勝屋 弘忠
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1996 年 3 巻 4 号 p. 416-420

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抄録

硬膜外腔への造影剤の広がりとその方向の特性, およびこれらに対する年齢, 身長, 体重の影響を検討した. 硬膜外麻酔を必要とした197名を対象とし, 硬膜外腔に留置したカテーテルの先端部位により頸部, 上位胸部, 下位胸部, 腰部の4群に分けた. 硬膜外造影は水溶性造影剤3mlを用いて施行し, X線写真にて確認した. 造影剤の広がりやすさは頸部, 上位胸部, 下位胸部, 腰部の順に大きかった. 造影剤の広がりは頸部, 上位胸部では尾側に, 下位胸部ではカテーテル先端を中心に均等に, 腰部では頭側に広がる傾向がみられた. 造影剤の広がりと各因子との相関は, 下位胸部での年齢にのみ有意な相関を認め, 加齢に伴って造影範囲が増加した.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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