日本ペインクリニック学会誌
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頸椎症性神経根症に対する神経ブロック治療の長期結果
小林 伊都子福崎 誠新谷 貞代鳥羽 晃子前川 拓治澄川 耕二
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1997 年 4 巻 1 号 p. 27-30

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抄録

目的: 頸椎症性神経根症は頸肩上肢に激しい根性疼痛を生じる. 今回頸椎症性神経根症例に各神経ブロック治療を行ない治療開始6カ月後における長期効果を検討した. 方法: 頸椎症性神経根症 (男性18例, 女性15例) の根性疼痛に対し, 硬膜外ステロイド注入およびブロックあるいは星状神経節ブロックから開始し, その後, 各神経ブロックを行なった. 結果: 著効例が18例 (55%), 軽快例が6例 (18%), 再燃例7例 (21%), 手術例2例 (6%) であった. 結論: 頸椎症性神経根症の根性疼痛に対し神経ブロック治療の有効率は73%であった. 疼痛の性状, 局在部位に合わせて, より効果的な神経ブロックを選択することが重要である. しかしながら治療抵抗例あるいは脊髄症進行例には手術適応も考慮する必要があろう.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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