日本ペインクリニック学会誌
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ディスポーザブル携帯式持続注入器を用いた持続硬膜外ブロックにおける麻酔域の検討
エピネフリン添加局所麻酔薬による影響
高田 知季豊澤 公史内山 智浩
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1998 年 5 巻 4 号 p. 475-480

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抄録

ディスポーザブル携帯式持続注入器を用いた硬膜外ブロックによる術後鎮痛やペインクリニックでの疼痛管理が行なわれているが, 局所麻酔薬単独持続注入では臨床上十分な効果を確認できないことがある. これに対して, 局所麻酔薬単独持続注入における麻酔域の確認と, 局所麻酔薬エピネフリン添加による麻酔域への影響を検討した. その結果, 2.0%メピバカイン (2.83±0.41ml/hr), 0.5%ブピバカイン (2.90±0.77ml/hr), エピネフリン添加2.0%メピバカイン (2.90±0.49ml/hr) を2時間持続注入した場合の麻酔域はそれぞれ2.73±2.52, 4.83±3.01, 6.87±1.73分節であった. 持続注入器の場合, 局所麻酔薬単独注入では麻酔域に個体差が大きく, 麻酔域が極端に狭い症例では臨床上の効果が期待できないことを認めた. これに対し, 局所麻酔薬にエピネフリンを添加することにより麻酔域が拡大し個体差が少なくなることが確認された.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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