1999 年 6 巻 4 号 p. 389-392
三叉神経痛と群発頭痛が合併した, cluster-tic syndrome と考えられる症例を経験した. 症例は54歳, 男性で, 右眼窩部から前・側頭部に拡がる激痛発作を訴えた. 43歳時, 50歳時にも同様の発作痛があり, 三叉神経痛として治療されていた. 今回の発作痛は, 眼窩上部にトリガーポイントがあり, 発作が電撃痛で始まるなど, 三叉神経痛の特徴も有していたが, 随伴症状として同側の鼻閉, 結膜充血, 眼瞼下垂が認められ, 群発頭痛の診断基準を満たした. 治療としては, carbamazepine の内服に星状神経節ブロックと眼窩上神経ブロックを併用し, 良好な結果が得られた. 特に眼窩上神経ブロックは, 発作の頓挫に有効であった.