日本ペインクリニック学会誌
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三叉神経障害を主症状とした小脳橋角部クモ膜嚢胞の1例
平田 和彦原澤 一郎岡 一成比嘉 和夫檀 健二郎
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2000 年 7 巻 1 号 p. 59-61

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抄録

小脳橋角部のクモ膜嚢胞で三叉神経領域の感覚異常を呈した症例を経験した. 47歳の女性で, 感冒様症状の後に左上口唇の違和感と感覚低下が発現し, 3カ月経過しても改善しなかった. 初診時に左三叉神経第2, 3枝領域の感覚が低下していたが, 他の神経学的異常はなかった. 1年5カ月持続し, 三叉神経第2, 3枝領域の感覚異常は改善しなかった. MRIで左小脳橋角部の占拠性病変が認められた. 開頭術が実施され, クモ膜嚢胞により, 三叉神経根が圧迫されていた. 嚢胞開放術後に神経症状は速やかに改善した.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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