日本ペインクリニック学会誌
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硬膜外麻酔後に偶然見つかった脊柱管内クモ膜嚢腫の1症例
南 浩一郎志賀 洋介相方 謙一郎古賀 和徳
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2001 年 8 巻 1 号 p. 22-24

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抄録

硬膜外麻酔後に神経症状が出現したことを契機に発見された, 硬膜内クモ膜嚢腫の症例を経験した. 症例は66歳, 女性. 子宮脱, 膀胱脱のため膣式子宮全摘出術が予定された. L3/4間から硬膜外カテーテルを挿入したが, 出血もなくカテーテル挿入も容易であった. プロポフォールで導入後, スキサメトニウムで筋弛緩を得た後に気管挿管を行った. 硬膜外麻酔と酸素, 亜酸化窒素, イソフルランで麻酔を維持した. 術中は異常なく麻酔を終了した. 術後3日目より両側のL1からL4までの知覚低下を訴えたため, magnetic resonance imaging (MRI) でL1からL3にかけて血腫が疑われた. 椎弓切除術が施行され, 硬膜内クモ膜嚢腫が発見された. 硬膜外麻酔後の神経脱落症状の原因の一つに脊柱管内クモ膜嚢腫があると思われる.

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