2002 年 9 巻 4 号 p. 426-431
目的: 実験的関節症モデルであるアジュバント関節炎 (AA) ラットを用いて静磁気の疼痛等に対する効果を検討した. 方法: AA発症後24週間放置し慢性疼痛状態にした後, 静磁場に曝露し, サーモグラフィー, 運動解析装置およびDEXAを用いて尾部皮膚温度, 行動量および骨塩量を測定した. 結果: AAラットは慢性疼痛状態のため健常ラットに比べて尾部温度が低下し行動量も減少していたが, 静磁場曝露により尾部表面温度が上昇し, 行動量の増加も認められた. また骨塩量の減少抑制効果も確認された. 結論: 静磁場曝露によってAAラットは血流が改善され行動量が増加した. これは静磁場による疼痛軽減効果によると考えられる. また, 行動量の増加によって骨塩量の減少が抑制されたと考えられる.