精密機械
Print ISSN : 0374-3543
研削砥石の結合度の研究(第4報)
結合度の基準について
大越 諄渡辺 半十
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1952 年 18 巻 213 号 p. 370-375

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抄録
以上述べた点を総括すると次の如くなる。
1)大越式結合度測定法は90°楔を以つて砥石面を或る深さで引掻き破壊するときの抵抗を測定するのと同一である。
2)結合度数は単位面積当りの破碎抵抗で表示されこれはビットの喰込深さdの逆数で指示される。
3)一般的に結合度数Bは粒度G,結合度順位数Zとの間に次の関係があるが基準の組織砥石ではBは組織てより変らないものである。
B∝G1.0/0.9z
4)更に実際の研削に当つては粒子一個当りの平均破碎強度bが問題でありこのbと粒度G,結合度順位数Z,組織(砥粒率Vg(%))との関係は一般的に次の如く示される。
b∝1/G1.0・0.9zVg2/3
5)抗張力測定法は粒子間の接着強度の測定として有効であるが結合度測定としてはこれ自身ではあまり意味がない。
6)押込硬度測定やドレッシング抵抗の測定はその作用が大越式結合度測定のときの粒子破碎の状況に近似であり,結合度測定として有効であり三者間には各々直線的関係がある。但し押込硬度に於てはその硬度数表示が力学的のものでなければならない。
7)大越式結合度測定法から求められる結合度数は砥石の研削性能(研削抵抗,砥石の磨耗,仕上精度)と密接な関係を持つている。
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© 社団法人 精密工学会
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