精密工学会誌
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円すいダイヤモンドの引掻きによる非酸化物セラミックスの表面性状について
張 璧戸倉 和吉川 昌範
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1988 年 54 巻 3 号 p. 587-593

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抄録

鋭い円すいダイヤモンドで窒化けい素及び炭化けい素セラミックスの表面を小さい切込みで引っかいたときの溝表面及び溝直下の観察及び測定により,次のことが明らかとなった.
窒化けい素で約2μm以下,炭化けい素で約0.5μm以下の切込み深さで引っかいた場合では,溝表面は滑らかで溝底で微細き裂集合体が生成する.これは炭化けい素で非常に少なく,窒化けい素では切込み深さの増加とともに大きくなる.これら以上の切込み深さでは炭化けい素でチッピングが激しく発生し,溝直下でき裂が放射状に発生する.窒化けい素では溝表面に沿って微細き裂が生じ,その端よりひげ状き裂が材料内部へ放射状に発生する.き裂の進展長さは横方向で窒化けい素<アルミナ<炭化けい素の順になっており,深さ方向で切込み深さ約8μm以下のときアルミナ<窒化けい素<炭化けい素の順,8μm以上のときアルミナ<炭化けい素<窒化けい素の順になっている.

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