人工知能(AI)は,生まれて30年程の青年期にある.1969年以来隔年に開催されている人工知能国際会議(IJCAI)は,1980年代に入ってAIフィーバとともに急成長し,ロスアンジェルスの第9回IJCAI'85では参加者6000人程度の規模であった.しかし,ブームは鎮静化し,IJCAI'89では5000人弱になった.AIが再び地に足の着いた歩みを始めたといえるこの時期は,これまでの成長を振り返り,今後の発展を考えるのにちょうどよい機会であろう.
AIは,数学,論理学,心理学,情報学などの混血児ともいえ,そのカバーする範囲は広い.その広い範囲の中で種々の分野が注目を浴びてきた.AIの成長を概観するにはいくつかの切り口があるが,ここでは代表的な2つの観点からAIの歴史を眺め,今後を展望してみよう.