精密工学会誌
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六角穴付きボルトの軸力検出法に関する研究
清水 伸二小林 康記岡部 眞幸
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1990 年 56 巻 3 号 p. 497-502

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抄録

これまで困難とされていた六角穴付きボルトの軸力を直接的に検出する方法を確立するため, 締付け時の頭部変形を有限要素法により詳細に解析し, その変形挙動を明らかにするとともに, その特性を利用した軸力検出方法を提案しその有効性について検討した.その結果, 以下の事項が明らかになった.
(1) 締付け時の六角穴付きボルト頭部は, 六角穴底部では, ほぼ平行な沈み込み変形挙動を示す.
(2) この変形において, 締付けにともなう六角穴の入口部を基準とした穴底部までの距離の変化量△hは, 軸力と良好な線形関係を示す.
(3) 以上の関係を利用した軸力検出法は, 従来困難とされていた六角穴付きボルトの直接的な軸力検出を可能なものとした.
(4) ボルト頭部六角穴に対するセンサの角度位置及び六角穴深さ方向の固定位置の影響は, 比較的小さい.
(5) 座金に関しては, 材質, 穴径は検出感度にはほとんど影響しないが, 傾きの影響は大きい.また, 標準の穴径の場合では, 座金の偏心の影響は, ほとんどない.

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