精密工学会誌
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色収差2重焦点法によるSRステッパ用アライメント装置の開発
宮武 勤浜田 史郎
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1993 年 59 巻 5 号 p. 749-754

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抄録

SRステッパ用アライメント装置において, その位置検出精度が, レジスト膜の影響やマスクとウエハに対するフォーカス変動の影響をほとんど受けない方式を開発した.
その結果, 以下の結論を得た.
(1) 色収差2重焦点光学系により光軸方向に40μm離れたX線マスクとウエハがそれぞれ単色光と帯域光で同じ像面に結像することを実証した.
(2) 観察したマスクマークとウエハマークの像からマーク間の光軸直交方向の相対位置を正確に求める相似性パターンマッチング信号処理の有用性を実証した.
(3) 帯域光で結像したウエハマークの像が, レジスト膜中で生じる干渉じまの影響を受けずに鮮明に観察されることを実証した.さらに, 位置検出精度がレジスト膜の影響を受けないことを実証した.
(4) 3μm程度のフォーカス変動は, 位置検出精度にほとんど影響しないことを実証した.
(5) 以上により開発した装置が0.013μmよりも高い位置検出分解能をもつことを実証した.
今後は, 開発した装置をSRステッパに搭載して, X線露光による性能評価と実際のLSI製造プロセスへの適用性を評価する予定である.

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