精密工学会誌
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アルミナ砥粒による磁気ディスク基板の高平滑ポリシングに関する研究 (第2報)
除去速度と微小うねりに及ぼすポリシング条件の影響
安井 平司佐藤 郁松永 竜二鈴木 幸雄
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1994 年 60 巻 11 号 p. 1631-1636

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抄録

Al2O3砥粒による磁気ディスク基板の高平滑ポリシング特性 (除去速度, 平滑化速度および到達微小うねり等) に及ぼすポリシング条件 (ポリシャの種類, ポリシング圧力, 平均相対速度, 砥粒濃度等) の影響を実験的に検討し, 考察した.主な結果をまとめると以下のようになる.
1) 軟質ポリシャの方が硬質ポリシャより微小うねりと表面粗さともに良いが, 除去速度は低くなる.
2) 軟質ポリシャでは,
(1) 除去速度は, ポリシャ硬度, ポリシング圧力, 平均相対速度および砥粒濃度を増加すると増加する.
(2) 表面粗さは, 高ポリシング圧力にすると悪くなるが, 平均相対速度や砥粒濃度の影響は比較的受けにくい.
(3) 微小うねりは, 低ポリシング圧力, 低砥粒濃度で良くなり, 平均相対速度にはほとんど影響されない.
3) 硬質ポリシャでは,
(1) 平均相対速度が増加すると, 除去速度の増加率は減少する.特に, 低ポリシング圧力では, ある臨界平均相対速度以上では, 除去速度が減少する.
(2) 低ポリシング圧力, 高平均相対速度では, スクラッチが発生し, 表面粗さが悪くなる.
4) ポリシャAを用い, P=3.7kPa, Va=1.5m/s, Cg=1.1~2.3%のポリシング条件で, 約4nmの終末微小うねりが得られた.

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© 社団法人 精密工学会
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