精密工学会誌
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光デバイス端面の鏡面研削切断
神田 虎彦三橋 眞成伊関 雄二
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1994 年 60 巻 2 号 p. 245-249

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抄録

薄形のブレードを用いた研削切断において鏡面切断面を得るには,ブレード外周面だけでなく側面の研削能力を適切に維持することが重要になる.微細砥粒青銅ボンドブレードの外周面と側面にも微弱な電解ドレッシングを付加し,LiNbO3基板の鏡面研削切断を行った.主な結果を以下に記す.
(1)新形状のマイナス電極によってブレード側面の研削能力は維持され,切断面の表面粗さとそのばらつぎが小さくなり,鏡面研削切断精度を向上できることが明らかになった.
(2)良好な鏡面研削切断を続けるには,電解電流値を適量に保つ必要がある.切断面粗さとブレード減耗の評価から本実験の適切な電流値を示した.
(3)マイナス電極とブレードの定期的な接触によって,電極表面に堆積した絶縁膜除去と電極形状の修正を行い,鏡面切断面の高再現化をはかった.
(4)鏡面研削切断したLiNbO3導波路型光デバイスの光接続面は実用的な損失レベルにあり,従来必要であった研磨工程の省略が可能となった.

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