抄録
本節では発話データから抽出された概念ネットワークをコネクショニスト的アプローチによって分析し,設計者の注視点の存在やその移動を観察した.設計過程では,その時々の注視する概念を中心に設計を進めている.今回の分析では,その範囲とは注目している点のネットワーク上で近い概念であり,その範囲にある概念間の関係が2節でみてきたような知識として,表面に現れてくるものと考えられる.設計者のもつ知識構造を概念ネットワークとみた場合,表層的な知識は,注視点の周囲にある部分ネットワークであるといえる.このため2節でみてきたように,場面場面により異なった形の関係になると考えられる.