精密工学会誌
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摩擦駆動を応用した光ディスク原盤露光装置用テーブル送り機構の開発
佐久田 茂足立 幹雄小川 潔高須 登上田 勝宣平 浩三中野 敏行
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1996 年 62 巻 10 号 p. 1444-1448

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抄録

摩擦駆動を応用した光ディスク原盤露光用テーブル送り機構を開発した.
(1) テーブルの駆動系として, 大ストローク・高分解能でサイクリックエラーのない摩擦駆動を用いた.モータ軸, 支持ローラ, 予圧印加軸の3つのローラによる駆動ロッド支持機構, ダイレクトドライブ, 最大予圧100Nの摩擦駆動機構を採用した.
(2) 干渉計とミラーとの間に分岐ミラーを配置し, レーザ光路を2系統に分割するテーブルのヨーイング自動補正機能を備えたレーザフィードバック制御光学系を設計し, 原盤記録の高精度化を図った.
(3) テーブル位置制御特性に関しては, 10μm/s定速送り時の追従誤差は2。9nm (σ) であった.また1μmステップ応答の3%静定時間は約0.15s, 定常偏差は10nm以下であった.
(4) 本テーブル送り機構を用いた露光装置で実際の露光を行った.nmオーダの精度の安定した記録を実現した.次世代以降の高密度光ディスクに対応した原盤を製作することができた.
今後は, 各種の露光方法・露光形状について, 露光条件を追い込み, 記録の高精度化を目指す.

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