精密工学会誌
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マイクロ光スキャナ応用センサ
後藤 博史
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1996 年 62 巻 3 号 p. 351-354

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抄録

光を用いて多次元の情報検知を行うセンサとして光走査式のセンサをとりあげ,そのマイクロ化における課題と筆者らが取り組んできた内容について紹介した.マイクロ化に最も重要な要素のひとつとして2次元走査機構のマイクロ化があり,それを実現するものとして振動子の2方向への共振振動を利用した圧電アクチュエータで駆動する光スキャナについて述べた.またそのスキャナを用いた2次元形状検知センサと3次元形状検知センサの例を示した.さらにマイクロ化を図るための技術として,複数の機能をひとつの素子基板上に集積する集積化技術についても紹介した.
半導体技術,光エレクトロニクス技術,微小光学素子技術,そしてマイクロマシン技術の融合から創出される能動的光センシングやコントロール技術は,今後ますますの発展が期待できるとともに,MEMSに代表されるマイク・マシン技術のひとつの有望な応用分野としても期待できる.
以上光センサのマイクロ化について,筆者らの研究開発を例に紹介したが,本稿が多少なりとも読者各位に参考になれば幸いである.
本研究の一部は,通商産業省工業技術院の産業科学技術研究開発制度に基づく「マイクロマシン技術の研究開発」の一環として,NEDOから委託を受けた(財)マイクロマシンセンターの再委託業務として,オムロン(株)が実施したものである.

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