精密工学会誌
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超精密工作機械用位置決め装置の分解能に関する比較研究
水本 洋薮谷 誠清水 龍人上 芳啓
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1996 年 62 巻 3 号 p. 458-462

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抄録

次世代の工作機械のための高分解能,長ストロークの位置決め装置を探るために,静圧ねじおよび2種の摩擦駆動装置の位置決め分解能を解析した.その結果を図1に示すとともに以下にまとめる.
(1)静圧ねじを使用した位置決め装置は適度の運動縮小率と静圧潤滑による低摩擦のために0.1nmの分解能を持つことが確認され,次世代工作機械の位置決め装置として最も適している.
(2)ツイストローラ摩擦駆動を用いた位置決め装置の分解能は現時点では0.2nmとやや劣るが,リードが小さく運動縮小率が大きいという利点があり,構造の改良によりさらに高い分解能を得られる可能性がある.
(3)キャプスタン摩擦駆動を用いた位置決め装置では運動縮小率が1であることとリードが大きいことより分解能は1nm程度であり,次世代工作機械での使用には適さないと思われる.

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