原子間力顕微鏡を用い, 層状結晶構造を有するマイカに機械作用を与えると, 一定の原子間力で加工が始まり, 負荷によって加工深さが増大し, マイカの積層単位である1nm深さ単位で加工が進行する, この時の加工時の水平力をチップのねじれ変形から評価すると, 掘り起こし項と摩擦項に分類でき, 掘り起こし項は加工深さに対応する.この加工現象を利用し, ナノスケールでの機械加工を実現し, 1nmステップの4段溝を形成した.さらに, ほぼ2000×600nm2の範囲に1nm深さの文字列NITの加工を実現した.
卒業研究として実験にご協力頂いた日本工業大学清水雅史, 三上真則両君に感謝する.本研究の一部は文部省科学研究費補助金 (CO7650179) を受けて行われた.