精密工学会誌
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インプロセス計測加工精度補償の研究 (第6報)
正面切削における制御開始位置と変位計配置位置の影響
矢澤 孝哲河野 嗣男宇田 豊大野 直弘
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1998 年 64 巻 12 号 p. 1806-1810

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抄録

正面切削に加工面基準制御加工法を適応し, シミユレーションと加工実験により, 制御開始位置, センサ配置位置について検討し, 以下の事項が明らかになった.
(1) 制御開始位置の影響
(1) 正面切削における加工面基準制御加工法では, 一般に, 切込み方向オフセット量Cが累積する.
(2) 工具と変位計が同心円上になったときに制御を開始することにより, Cの累積を避けることとができる.
(2) センサ配置位置の影響
(1) yg<xgにおいて.Y軸方向オフセットygが大きいほど.良好な加工面を得ることができる.
(2) 特にyg=xgにおいては, 制御開始時に変位計をX軸上に換算した移動最Fcはほぼ0となり, 参照する加工面形状の影饗を受けずに最良の加工面が得られる.
(3) yg>xgにおいてFcは大きくなり, 加工後の面に誤差が含まれる.この誤差の影響を収束させる方法として, 補正制御係数m (0<m<1) が有効である.

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