2007 年 22 巻 2 号 p. 121-127
内科系疾患の病態別栄養学的モニタリングについて、消化器領域を中心に概説した。クローン病では、栄養状態改善目的のみならず原疾患の治療目的で栄養療法を行う。活動性指数の意味合いを理解し、栄養療法合併症としての肝障害や重篤なセレン欠乏症に注意する。潰瘍性大腸炎では、クローン病と同様の栄養療法は必要なく、あくまでも薬物療法が治療の中心であることを理解する。使用する薬剤に応じて栄養学的合併症が生じることを熟知する。慢性肝疾患では、アミノ酸バランス、糖代謝異常、亜鉛欠乏に注意する。また、虚血性心疾患や慢性閉塞性肺疾患の理想的管理や腎不全における血液透析前後での栄養管理の相違についても簡単に解説した。