2007 年 22 巻 3 号 p. 329-335
はじめに:寝たきり高齢者のPEG症例のエネルギー投与量について検討した報告は少ない。そこで間接熱量計により測定したREE(resting energy expenditure)、及びHarris-Benedict式より算出したBEE(basal energy expenditure)の比較を行い、PEG症例の至適投与熱量について検討した。
対象及び方法:PEGにより長期栄養管理されていた15例を対象(男性3例、女性12例)とした。患者群を無作為に2群に分け、REE、及びBEEをもとに投与熱量を算出し、6週間ずつのクロスオーバー試験を行い、体重、体脂肪量、血清TP、Alb値を比較検討した。
結果:REE群に比べ、BEE群では、体脂肪と体重の増加が認められたが、TPやAlbには変化は認めなかった。また、体重増加に伴う代謝亢進も認められなかった。
考察:BEEに基づく投与熱量では過剰投与とされることが危惧された。