静脈経腸栄養
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特集:シンバイオティクス、プロバイオティクスの臨床効果
新生児におけるシンバイオティクス療法の意義
金森 豊
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2010 年 25 巻 4 号 p. 923-928

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抄録

我々はプロバイオティクスとプレバイオティクスを併用するシンバイオティクス療法を1997年から重症小児外科疾患患児に応用してきた。これは、Bifidobacterium breve Yakult 株とLactobacillus casei Shirota 株の二種類のプロバイオティクスとガラクトオリゴ糖を用いる方法で、この治療により異常な腸内細菌叢を有した患児の腸内細菌叢を改善し、腸炎の頻度を低下させて患児の栄養状態を改善することが可能であった。最近では、重症患児において早期から上記二種類のプロバイオティクスと母乳を併用する予防的シンバイオティクス療法をおこなって、患児の腸内細菌叢をいち早く正常に誘導し、成長を促す試みをおこない、良好な結果を得ている。本稿では、予防的プロバイオティクス療法の実際を症例で提示し、その効果をもたらす理論的背景について解説する。

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© 2010 日本静脈経腸栄養学会
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