2010 年 25 巻 5 号 p. 1063-1067
近年、慢性肝疾患において、インターフェロン(IFN)無効患者や、鉄の過剰蓄積、鉄起因性酸化ストレスの改善における治療として、瀉血及び鉄制限食療法が認知されてきており、瀉血療法導入後に鉄摂取制限を行い、追加瀉血回数の減少、肝機能の安定化が得られたとの報告も増えてきた。肝硬変患者に対する栄養介入においても「ウイルス性肝硬変に対する包括的治療のガイドライン(2010年3月改訂)」に瀉血が治療のひとつに加えられ、肝硬変に対しても瀉血後の鉄制限食療法が必要となってくる。もちろん、肝硬変に至るまでの病期の進行に合わせた栄養療法の中での鉄制限食として実施することが重要である。