静脈経腸栄養
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総説
半固形化栄養法における、理論・論文のレビュー
一政 晶子一丸 智美
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キーワード: 半固形化栄養法, 粘度, 胃瘻
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2010 年 25 巻 6 号 p. 1207-1216

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抄録

近年日本では半固形化栄養法が急速に普及し、胃食道逆流症、誤嚥性肺炎、下痢等の改善が報告されている。現在のところ、欧米では半固形化法は認知されていないが、今後エビデンスや投与法のコンセンサスが確立すれば、日本以外の胃瘻患者にも推奨できる技術であると考えられる。そこで、今後のさらなる研究・実践に発展させるために、半固形化法における 1) 理論、2) 論文による有用性のレビューを行った。更に半固形化法の実践例を紹介する。
結果 : 今回の論文レビューで、粘度900mPa・s以上で胃食道逆流症、3000mPa・s以上で下痢を改善する可能性が示唆された。また、3000mPa・s以上では短時間投与 (15分以内) が可能であり、褥瘡の改善やQOLの向上に有効な可能性も示唆された。しかし、半固形化法に関する論文総数は少なく小規模研究・症例報告が大半を占めるため、効果を結論付けるエビデンスは不十分である。今後、粘度以外の要因にも考慮した大規模な比較研究が望まれる。.

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© 2010 日本静脈経腸栄養学会
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