静脈経腸栄養
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原著
高齢者における完全静脈栄養管理時のビタミンの検討
赤津 裕康瀬藤 光利山本 孝之
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2011 年 26 巻 3 号 p. 977-983

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抄録

【目的】ビタミン配合高カロリー輸液製剤を用いて高齢者の栄養管理を行った場合のビタミンB1、B6、C、葉酸の過不足を検討した。
【方法】完全静脈栄養 (total parenteral nutrition ; 以下, TPNと略) 管理を要する必要水分量が1000mL前後の高齢な入院患者を対象とした。TPNは輸液量1000-1500mLを24時間持続点滴で投与した。追跡開始日、28日、56日、84日目に採血し、ビタミンB1、B6、C、葉酸の血中濃度を測定した。
【結果】家族の同意が得られた17例の結果を得た。男性6例、女性11例で平均年齢は84.6±6.4歳 (70歳-98歳) であった。追跡開始日において、平均血中ビタミンC濃度は平均3.7±1.9μ g/mLと基準値 (5.5-16.8μ g/mL) より低かった。ビタミンC500mg/日を追加投与した6例の平均血中ビタミンC濃度は、基準値内に回復した (最終12.5±3.1μ g/mL)。追加投与を行わなかった11例の平均血中ビタミンC濃度は低値のまま推移した (最終3.5±2.4μ g/mL)。平均血中ビタミンB1濃度は基準値をやや上回る推移を示した。平均血中ビタミンB6濃度、平均血中葉酸濃度は基準値範囲内で推移した。
【考察】TPNが必要な高齢者では、血中ビタミンC濃度が低下している可能性があり、ビタミン配合高カロリー輸液製剤の1000-1500m L/日投与では血中ビタミンC濃度が低値の持続を認めた。TPN管理が必要な高齢者では、定期的にビタミンCの血中濃度を測定し、補充する必要性が示唆された。

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© 2011 日本静脈経腸栄養学会
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