2011 年 26 巻 4 号 p. 1125-1131
血糖コントロールを目的として脂質のエネルギーを増やすことにより糖質の配合比率を低く抑えて、低GI (Glycemic Index)・GL (Glycemic Load) に調整した流動食とパラチノースを含有することにより低GIになるように調整した流動食の血糖日内変動に及ぼす効果を比較した。
脳血管障害後遺症による嚥下障害のため、標準高糖質流動食にて経管栄養中の2型糖尿病患者を対象とし、持続血糖モニター (CGM) を用いて両流動食投与時の血糖値を連続モニターした。
低GI・GL流動食投与時、低GI流動食投与時の24時間平均血糖値、血糖変動幅は、標準高糖質流動食投与時と比較して有意に低値であった。低GI・GL流動食と低GI流動食間の比較では、低GI・GL流動食投与時の血糖変動幅は、低GI流動食投与時と比較して有意に低値であった。
低GI・GL流動食、低GI流動食は、いずれも血糖変動幅を縮小させたが、その効果は低GI・GL流動食の方がより顕著であった。経管栄養施行中2型糖尿病患者において、食後の急激な血糖上昇や反応性低血糖の予防に低GI・GL流動食は有用と考えられた。