静脈経腸栄養
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臨床経験
長期的経腸栄養管理中に胃瘻チューブを抜去した症例
-チューブ抜去の適応とタイミング-
横浜 吏郎青島 優
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2011 年 26 巻 6 号 p. 1417-1422

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抄録

当院で経皮内視鏡的胃瘻造設術 (以下、PEGと略) を施行した症例の胃瘻チューブ抜去について検討した。1999年1月より2010年9月までに当院でPEGを施行した350症例のうち、胃瘻チューブを抜去した症例について臨床経過を調査し、胃瘻からの経腸栄養継続症例と比較検討した。また、経腸栄養中止後も胃瘻が維持されている症例を調査した。その結果、22症例 (6%) で胃瘻チューブが抜去され、その内訳は、経口摂取開始後の抜去が11例 (3%)、トラブルによる抜去が11例 (3%) であった。経口摂取開始後に胃瘻チューブを抜去した症例のうち、4例で再度PEGが施行された。一方、5症例で経腸栄養中止後も長期間胃瘻が維持され、そのうち4例では胃瘻に関わるスキントラブルが生じた。経口摂取開始後の胃瘻チューブ抜去において、その適応および適切な時期の設定に苦慮する症例を認めた。

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© 2011 日本静脈経腸栄養学会
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