2012 年 27 巻 3 号 p. 903-907
栄養アセスメントは、身体計測、身体徴候、臨床検査値、食事調査などから得られた情報を基に行われる。なかでも臨床検査は日常手軽に行うことができ、その時々の患者の状態を良く反映し、多くの情報を与えてくれる。しかし臨床検査値は、当然のことながら栄養状態だけでなく、他の病態、病状によっても変動するものである。さらには、検体のサンプリングから測定実施、測定結果の解釈まで、色々な段階でのピットホールが存在する。
今回は、臨床検査値を栄養アセスメントに上手に活用するため、臨床検査値の結果解釈をする上でのポイントを、(1)生理的変動要因、(2)検査項目の持つ特性による変動要因、(3)患者の病態による変動要因、(4)検体採取方法や処理方法による変動要因、(5)測定方法の違いによる変動要因の5点で整理した。