2012 年 27 巻 5 号 p. 1203-1207
小児短腸症候群に対する栄養管理は、原因疾患に対する手術を行った直後から始まっている。術後早期は、多量の下痢により水分、電解質を失うため、中心静脈カテーテルを用いて静脈栄養による栄養投与と下痢によって失った水分、電解質を十分に補充する必要がある。経腸栄養は可及的早期に開始し、静脈栄養に伴う合併症に留意しながら管理していく必要がある。失った腸管の部位や長さにより、PN離脱後も栄養吸収障害による問題を認めることがあるため、長期にわたる経過観察を行っていくことが重要である。