2012 年 27 巻 6 号 p. 1349-1354
終末期を含むがん患者においては、悪液質の発現に伴う代謝変動に加え、十分な栄養補給がなされず陥る飢餓の状態が複雑に絡みあっている。このようながん患者に対して適切な栄養管理を実施するためには、栄養障害の要因が単なる飢餓かあるいは、がん悪液質によるものかなどを十分に把握することが大切である。最近の知見より、間接熱量計を用いた安静時エネルギー消費量の実測値が、がん種、有病期、体脂肪量、除脂肪体重、体細胞量との関連性が報告されており、今後、栄養治療、特に適切な栄養基質の選択や栄養補給量などの検討において重要な指標になるものと思われる。