2013 年 28 巻 2 号 p. 645-651
【目的】高齢者開腹手術において、Controlling Nutritional Status Score (CONUT Score; 以下、CONUTと略) とSurgical Apgar Score (以下、SASと略) の合併症発生リスクに対する有用性について検討した。【対象及び方法】開腹外科手術を行った75歳以上の高齢者112例を対象とした。術後合併症の有無で2群に分け、術前のCONUTと術中測定値からSASを算出し、両群で比較した。【結果】SASの高リスク例の割合は、合併症発生群の方が多かった (p=0.0159) 。また、CONUTが不良であるほど、SASの高リスク例の割合は増加した (p=0.0007) 。CONUT不良例は有意に感染性合併症発生群に多かった (p=0.0145) 。特にCONUT不良で、かつ、SASでの高リスク (Double Positive) は、感染性合併症の発生率が高く、有意な危険因子であった。【結論】CONUTとSASは、術後合併症発生予測における簡便な指標として有用である。