静脈経腸栄養
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臨床経験
当院NSTが介入した腎機能低下症例の腎機能、電解質異常に関する検討
陣場 貴之森 朋子佐々木 佳奈恵丸山 弘記原田 真理相田 由美子山田 美樹齋藤 恭子原 俊輔安藤 亮一
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2013 年 28 巻 2 号 p. 671-675

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抄録

【目的】腎臓は水電解質など生体内の恒常性を維持する役割があり、栄養療法を行う上でその評価は重要である。そこで、NST介入例における腎機能低下症例について腎機能、電解質を中心に検討した。【対象・方法】腎機能の評価に推算糸球体濾過量 (eGFR) を用い、NST介入患者291例中、eGFR<60mL/min/1.73m2を腎機能低下群 (119例) 、eGFR≧60 mL/min/1.73m2を対照群 (172例) とした。さらに、腎機能低下群を慢性腎臓病 (CKD) ステージを用いてステージ分類し、SGAや転帰と腎機能や電解質異常との関連について検討した。【結果】腎機能低下群はNST介入症例の約4割を占めていた。また、ステージG3-G4ではNST介入時に比べ介入後にeGFRは改善していた (p<0.05) 。転帰別ではNST介入により栄養状態が改善した群でeGFRの改善を認めた (p<0.05) 。電解質異常の発生頻度に有意差はなかったが、腎機能低下群で多い傾向を示した。【考察・結語】NST介入により、腎機能や電解質異常の改善が期待できる症例もある。電解質異常については、症例に応じた対応が必要である。

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© 2013 日本静脈経腸栄養学会
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