静脈経腸栄養
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施設近況報告
当院における術前・術後経口補水療法導入の工夫
池松 禎人大菊 正人小笠 原隆蓜島 桂子坂田 淳島田 理恵二橋 多佳子丸井 志織岡本 康子
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2014 年 29 巻 2 号 p. 765-769

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抄録

術前患者に水分・電解質・炭水化物を経口補充すると空腹・口渇感を軽減、脱水や飢餓状態を最小限にし、周術期の麻酔管理を容易にするとともに術後の回復を促す。当院では2011年8月より3ヶ月間、待機的消化器外科症例にアルジネードウォーター 2本を術当日午前7時までに飲用し有害事象が発生しないことを確認し、同年11月より院内全科で導入した。さらに2012年4月より症例を限定し手術前日から手術入室3時間前までオーエスワン1~ 2本、2時間前までにアルジネードウォーター 2本を飲用し病棟からの術前輸液を廃止、さらに手術終了帰室後の輸液をオーエスワン飲用で代用し術後点滴を廃止した。2012年8月より全科に上記経口補水療法を拡大した。2013年3月までに術前経口補水療法1750例、術後経口補水療法204例を実施したが、経口補水療法に関連した合併症はなかった。当院における術前・術後経口補水療法導入の工夫を報告する。

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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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