静脈経腸栄養
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特集
QOLを高める食支援
荒金 英樹
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2014 年 29 巻 3 号 p. 851-856

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抄録

超高齢社会の到来に伴い食支援を必要とする高齢者は急増、多くの病院でその対策が急務とされている。当院では摂食量が少ない患者に対し独自に作成したアセスメントシートを利用し、多職種による食欲不振の原因の検討と介入を行っている。こうした要因の幾つかは病院だけで解決は難しく、中でも摂食・嚥下障害は地域での継続した支援が必要とされる。京都府、滋賀県で栄養サポート、摂食・嚥下障害に取り組まれている多職種が集い「京滋摂食・嚥下を考える会」が組織され、嚥下調整食の共通基準や摂食・嚥下連絡票を作成、地域での食支援の体制づくりの活動をしている。また、京料理や和菓子、茶、食器などの地元の食産業の協力を得ながら、一般市民へ介護食の理解を促し、介護食を食文化へと高める活動も行っている。こうした医療、介護の枠を越えた地域作りは、患者のみならず周囲の人々、地域のQOLを高める食支援に繋がると考える。

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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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