静脈経腸栄養
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症例報告
末梢静脈確保困難のためミッドラインカテーテルを超音波ガイド下に留置した肥満合併切迫早産の1例
鎌田 正瀬川 和史山本 栄司
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2014 年 29 巻 5 号 p. 1231-1234

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抄録

症例は39歳女性。切迫早産のため入院となりリトドリン100mg/日の経静脈的持続投与が開始された。身長160cm、体重118kg(BMI:46kg/m2)と高度肥満のため確保可能な血管は手背や手関節付近の細い皮静脈に限られ、血管痛と薬剤の血管外漏出により連日静脈ラインの刺し替えを余儀なくされていた。繰り返す静脈炎のため次第に静脈路確保困難となったため当科に紹介となり、入院24日目にエコーガイド下に肘部より3横指中枢側の上腕部尺側皮静脈(深さ1.5cm)にミッドラインカテーテルを17cm挿入した。その後血管痛は消失し、カテーテル留置1週間後の分娩まで安定したリトドリンの静脈内投与が可能となった。肥満により皮静脈確保困難な症例でもエコーガイド下に深部末梢静脈にミッドラインカテーテルを留置することで、合併症頻度の高い中心静脈カテーテルの使用を回避することが可能である。

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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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