静脈経腸栄養
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Print ISSN : 1344-4980
特集
高齢者胃がん患者の術後早期回復のための課題
-当院で行っている周術期管理-
土屋 誉高橋 誠本多 博及川 昌也柿田 徹也小山 淳大石 英和小村 俊博小櫃 保赤澤 直也長塚 大毅市川 英孝坪井 基浩平嶋 倫亮菊池 直彦佐藤 敦子阿部 尚美柴崎 忍
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2014 年 29 巻 6 号 p. 1307-1315

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抄録

 ERAS®の概念がクリニカルパスに組み込まれて周術期管理が行われるようになったが、すべての症例への適応は難しく逸脱例が生じる。その逸脱例の多くは高齢者ではないだろうか?高齢者を置き去りにした周術期管理は早期回復をますます遠ざけることにはならないだろうか?ただ在院日数を減らすことが目標ではなく、高齢者にも実施可能な管理を行うことによって、その延長線上に早期の回復は見えてくるものではないだろうか。高齢者に配慮した管理こそすべての症例に対して早期回復をもたらすものであると考える。本稿では当院での胃切除症例への取り組みを中心に紹介したが、経腸栄養もサプリメントの使用も高齢者でも可能であるというコンセプトで行っている。もっともわかりやすい指標でいえばCRPをあまり上げない手術方法を用いて、CRPをできるだけ早く正常化するような周術期管理をめざすというのが目標である。それが短期的な手術成績のみならず長期的な予後まで決定すると考えており、真のERAS®といえるのではないだろうか。

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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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