2020 年 56 巻 1 号 p. 64-70
目的:不妊症に悩む夫婦は増加し,本邦におけるAssisted Reproductive Technology(以下ART)後妊娠の割合は増加している.当院の分娩症例を通じて,高次施設における不妊治療後妊娠の周産期合併症を検討する.
方法:当院における2015〜18年の全分娩2, 242例を,自然妊娠群,一般治療後妊娠群,ART後妊娠群に3群化し,13項目の周産期合併症を検討した.χ2検定または一元配置分散分析を用いた二変量解析の後,調整因子を補正し多重ロジスティック回帰分析を行った.
結果:多変量解析では,胎盤位置異常が一般治療後妊娠群およびART後妊娠群で自然妊娠群より有意に高率であり,分娩時大量出血とApgarスコア1分値7点未満がART後妊娠群で自然妊娠群より有意に高率であった.
結論:今後は合併症を意識した周産期管理が重要であり,多施設で症例数を増やした検討も期待される.