日本周産期・新生児医学会雑誌
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症例報告
核型46, XY, der(18)t(11;18)(p15.3;q21.1)を示したBeckwith-Wiedemann症候群の1例
藤本 真徳戸川 泰子杉本 真里杉浦 崇浩岡田 真由美村松 幹司小山 典久
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2021 年 57 巻 1 号 p. 119-123

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抄録

 Beckwith-Wiedemann症候群(BWS)は巨舌,腹壁欠損,過成長を三主微とし,染色体11p15のゲノム刷り込み現象が関与して発症する.数%は父由来の11p15を含む部分トリソミーに起因する.18q部分モノソミーは髄鞘化遅延や精神運動発達遅滞を特徴とする.我々は在胎38週5日,体重3,406g(+1.5SD),身長51.5cm(+1.6SD)で出生し,耳介低位,眼間開離,巨舌,心房中隔欠損,臍ヘルニア,左鼡径ヘルニア,脊柱形態異常を認めた非典型BWSの男児を経験した.重度精神運動発達遅滞を認め,遺伝学的検査から46, XY, der(18)t(11;18)(p15.3;q21.1)patが判明した.過去の報告から不均衡型相互転座を伴うBWSは精神運動発達遅滞と巨舌を主な臨床的特徴とし,精神運動発達,腫瘍発生の可能性,遺伝カウンセリングの観点から診断後のフォローが重要と考えられた.

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© 2021 日本周産期・新生児医学会
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